運命のヒト
しばらくすると呼吸が落ちついてきた。
あたしは「ごめん」と掠れた声でいい、背もたれにぐったりと寄りかかった。
「……大我……」
「ん?」
「どうしよう。怖いよ」
その言葉に、大我が息をのんだ。
「シロがいなくなっちゃうのを考えると、怖くて気が狂いそうになる」
なさけない。あたしは、ものすごく弱い。
「こんなんじゃダメなのに。もうすぐ独りになるんだから、もっと強くならなきゃダメなのに」
あたしは両手で顔を覆った。
「強い人間なんかいねぇよ」
大我の大きな手が、くしゃっとあたしの髪をなでた。
「みんな弱いんだ。でもな、だからこそ言うぞ。……しっかりしろ」
ありふれたその言葉が、胸に突き刺さって響いた。
「死にたいくらいツラくなっても、俺がぜんぶ受け止めてやる。だから今はしっかりしろ。お前らには“今”しかねぇんだろ?」