運命のヒト
……“今”しかない。
そうだった。そしてその“今”は、未来を嘆くために存在しているんじゃないんだ。
あたしは強くうなずいた。何度も大我に、ありがとうと伝えた。
* * *
帰宅すると、シロはすでに起きてキッチンでコーヒーを淹れていた。
「おかえり。美園も飲む?」
「うん」
日常的な光景に、胸が詰まる。
シロが淹れてくれたコーヒーを一緒に飲んだ。
茶色いラグマットの上に、ちょこんと2人並んで座って。
「なぁ、美園。明日の日曜、デートしよっか」
シロがパッと明るい顔をして、唐突にそんなことを言った。