運命のヒト
「デート?」
くすぐったいその響きから、思い出すのは以前ドライブをした“青信号のデート”。
けれど今度は車ではなく、電車で知らない駅に言ってみよう、とシロは提案する。
いきなりこんなことを言い出したのは、思い出づくりをしようとしているんだろうか。
でも……シロが未来に帰ってしまったら、あたしの中からシロに関する記憶は徐々に消えていくんだよね?
だったら思い出づくりなんて、つらいだけなんじゃ……。
そんな考えが浮かんだけれど、すぐに思い直した。
――『お前らには“今”しかねぇんだろ?』
そうだ。先のことを憂いている場合じゃない。
一緒にいる今を大事にしなきゃ。
「うん、いいね。行こう」
あたしはシロにうなずいた。