運命のヒト

「ごめん、もう泣かない」


ううん、とシロ言う。


――そのときふいに、響いていた雨音が止んだ。

あたしたちは反射的に窓を見上げる。

ステンドグラスから微かに光が差しこんで、十字架を照らしていた。


あぁ、と思わず声がもれた。なんて、やさしい光だろう。



「俺は」

シロが目を細めて言った。


「生まれ変わったら、お前を幸せにできる“何か”になりたい」

「……“何か”?」

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