運命のヒト
あたしは毛布を持ってきて大我に掛けた。
眠っているはずの彼の肩がわずかに震えていたけど、気づかないふりをした。
しんしんと冷える夜道を、シロと手をつないで散歩する。
短い間だったけど一緒に過ごしたこの街を、シロは目に焼き付けるようにゆっくり見て回った。
その間もあたしたちは他愛ない話をしたり、ときどき黙ったり、日常と何も変わらない様子で過ごした。
最後に着いたのは、公園の時計台。
あたしたちの何度目かの“出逢い”の場所。
シロに名前を呼ばれ、突然抱きしめられた“始まり”の場所。
そこに再び、戻って来た。
「今夜も寒いね~」