運命のヒト

時計台の下に着いたのは、10時より少し前だった。

特に変わった様子はない。いつも通り静かで、動いているものと言えば風に揺れる草木と、時計の針くらいだ。


やがて、10時ジャストになった。


「おい、あれ」

大我があたしの腕をつかんで揺する。


前方から、人影が近づいてくるのが確認できた。

徐々に距離が近くなり、明確になっていくその姿。

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