運命のヒト

現れたのは、30代くらいのスーツを着た細身の男性だった。

あたしと大我は息をのんだ。


黒縁メガネが似合う紳士的な顔立ちに、見覚えはない。

なのに切なくなってしまったのは

どことなくその人に、彼の面影を感じたから――。


「もしかして」

男性が正面で立ち止まり、言った。


「美園さんと、大我くんですか?」

「え……?」


なんで、あたしたちのことを?

驚きながらも「はい」と答えると、男性の顔にも同様に驚きが浮かんだ。
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