運命のヒト
「わかった。じゃあ質問を変えるね」
「どうぞ」
「アンタは何者なの?」
2時間サスペンスの探偵みたいな問いを、あたしは大まじめに投げかけた。
シロは澄んだ瞳でしばらくあたしを見つめ返すと、結局、例のヘラヘラ笑顔に戻って答えた。
「不思議の国からやって来たエスパー」
ガクーッ、と体の力が抜ける。
もういい。コイツとは会話が成り立たない。
自分の話になると、いつもこの調子なんだから。
つまりあたしは、本名も知らない、住んでた場所もわからないこの男に、まんまと振り回されてるってわけだ。