運命のヒト

ふれくされるあたしに、シロが飄々と言った。


「今の答えじゃ納得できない?」

「当たり前でしょ」

「んーそっかぁ」

腕を組んで残念がるポーズをしたシロは、突然、何かを企んだように片方の口角を上げた。


「じゃあさ、俺に超能力があるって証拠、今から見せるってのはどう?」


は?



 * * *


マンションの駐車場で眠っていた軽自動車。

車検の名義はお父さんだけど、あたしも使いやすいようにと選んだ小型ワゴンだ。

けれどペーパードライバーのあたしは、ほとんどその存在を忘れていた。


そんな哀れなマイカーが、陽の光を浴びたのは、実に3カ月ぶりだった。

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