桜、雪、あなた
人通りの多い
帰宅ラッシュで賑わう
駅の中
周りの音が
ガヤガヤうるさくて
よかった
あたしの
髪の毛が長くて
よかった
下唇を噛みながら
あたしはその優しさと
思い出した温もりに涙を必死に堪えて
バックを持つ手に、グッと力を入れた
秋の風
ヒュウ、と
肌に触れたその時に
あの日、
あたしの誕生日に
あなたと
ほんの少しだけ繋がった
あの一瞬の小指の温もりを思い出してしまったからー
…桜、舞う
あの桜並木の
あの景色を
思い出してしまった、からー…
冷えた指先が
温かく 感じてしまって
…あたしは、
どうしようもなく
泣きそうに
なってしまった からー。