桜、雪、あなた





ヨウスケくんの
つけていた

香水の



残り香がした










『うわまじで?!
ちょー嬉しいんだけどっ!おれめっちゃほしかった 香水じゃんっ!』



『あははっ
喜んでもらえてよかったー』



『うわっまじやべー!
これ毎日つけっから!』



『本当ー?
飽きずに毎日つけてよー?』










あたしの、ね

あげた



香水の

匂い



した、の。










「…―っつ…」





一瞬で
視界が滲んだ



ダダダダダッ!





「はぁっはぁっ…っ…」





勢いよく飛び込んだ先は
目の前にあった従業員用の喫煙室



ヨウスケくんと
休憩中に会っては色んな話をした

思い出がいっぱいつまった喫煙室



バタンっ!



震える手で
扉を閉める





「はぁっはぁっ…」





灯りの消された真っ暗な喫煙室の中で

力の抜けたあたしの腕からドサッっとバックが落ちて

化粧品が
香水が

落とした拍子にひび割れてしまった鏡が

床 一面に



広がるー。





砕けた腰が

溢れた涙が



…あたしの体が



散らばった小物たちの上に





落ちるー



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