桜、雪、あなた
その時だった。
ピピッ
「おっミオちゃんラインじゃね?」
「だねー」
たった今、誕生日の予定がギッチリと埋まったあたしは
「誰からだろうねー」
なんて言いながらにやけを抑える事なく、手元で光る携帯の画面を確認した。
だけど。
『こんばんはっ!ユウタだよ!』
あたしは突然送られてきたそのラインの相手に全く心当たりがなくって。
「…ん?」
本当に誰だ?
と、
首を傾げてしまった。
『は?ユウタ?』
…誰すか。
『この前はどうも!今この前と同じクラブでみんなで飲んでるんだけどよかったら今から混ざらない(*^^*)?』
「あぁ-…」
立て続けに送られてくるラインを読み進めていくうちに
やっとそれが誰なのか思い出したあたしはため息をついた。
「……思い出した。」
「は?」
「いや、」
ユウタくんねー。あーハイハイ。
…そうだ。
そう言えば少し前に無理やりミキちゃんに連れて行かれたクラブであたしに番号を聞いてきた人だ。
番号教えてってしつこ過ぎてその場しのぎで適当に番号交換したんだっけ。
「んー…」
あたしは思ってもいなかった相手からのラインの返信をするかどうか迷って
しばらくの間携帯とにらめっこをしていた。
すると、
それまで隣で黙っていたヨウスケくんが横目でちらりとこちらを見ながら
「なぁミオちゃん、」
「んー?」
面白がる様に
「それ、男だろ?」
って
あたしに聞いてきたんだ。