桜、雪、あなた



何それ何それっ?!
そんなの聞いてないし!!



「何でだよ。俺にお祝いさせろよ」



だって!
ぶっちゃけいつそんな事言ったのかも覚えてないのに



「えーでもでもっ!!」



きっとその時は
酔っていたノリで何気なくヨウスケくんに

行きたいね

って
言っただけのはずなのに



「何言ってんだよー。何のために連休取ったのよー?いいじゃん、せっかくの誕生日なんだから」

「だって、もうたくさん遊んだし…」



だから、あたし
もういいよって、言ったのに



「何でだよ」

「だって」

「いいじゃん。」

「でも」



ヨウスケくんが



「誰よりもおれがミオちゃんの誕生日をたくさん祝いたいんだから」



って、
そんな事 言うから。



「………」

「な?」



…ヨウスケくんが



「いーからいーから!
なっ?っても、申し訳ない事におれが運転じゃないんだけど、さっ!」



あまりにもさらっと



「いや、それは全然…」

「おしっ!なら決まり!」

「うん…あ、ありがとう…」



平気で言う、から。



「あ、そこの左に見えるパーキング入って歩いてこ。あそこからならそんな距離ないし」

「あ、うん」



あたしは不覚にも





「…よしついたぁ!!運転ありがとな!」

「ううん、むしろありがとう…」



『おれが誰よりもミオちゃんの誕生日をたくさん祝いたいんだから』



その言葉に

ドキって、しちゃったんだよ。



「………」



…どうして?

だっ、て あたし絶対
何か変だ。

どうしちゃったんだろう。

だって
ともだちなのに、

彼女でも ないのに、
こんなにドキドキしたりして おかしいじゃない。

あたしは
ヨウスケくんの事

本当にイイ友達だと
思っている

はず、なのに




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