桜、雪、あなた



ところが
そんなあたしとは対照的に
ヨウスケくんは随分と落ち着いた様子で



「まぁーまぁー。そんな緊張しなくったって大丈夫だろー。
飲めばどうにかなるって!!」



そう言いながら
ニコニコした笑顔をあたしに向けてくれて



「…うぅ」

「な?」



その時、
パチリとヨウスケくんと目が合って。

『あ。』

穏やかな暖かい笑顔を向けられたあたしは

『笑顔、素敵な人だなぁ』

普段職場で見るのとは違う笑顔にあたしは素直に、そう思った。



「…ふふっ」

「あ、やっと笑った!」

「えっ?あー…や、ヨウスケくんって職場で見る顔と違うなーって」

「はー?そうかぁ?」

「何か優しいってゆーか…穏やかな 感じ?ですかね?」

「何だそれ!
普段おれどんな顔してんだよー」

「あはっはははっ…」



…ヨウスケくんの普段?

どんな顔って…ですかって?



「ミオちゃんひでぇなー」

「い、いやぁ…」



それ、聞いちゃうんすか?



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