桜、雪、あなた
「プライベート。」
ヨウスケくんは言った。
あたしが見逃さなかったと思った次の瞬間に
そう言ったんだ
「…あ…そっか…」
「え?何?それもダメ?」
「…いっ、いや?全然?」
「おぅ」
「………」
ーヨウスケくんの
それ以上何も聞くなというような冷めた顔、
それ以上何も話したくないというような低い声。
ヨウスケくん、どうしたの?
毎日の様に顔を合わせていた
あたしとヨウスケくんの間に、ヨウスケくんだけの
プライベート。
………そりゃ、あたしにだって知らないヨウスケくんのプライベートがあるって事位、もちろん分かっているけど…
当たり前、なんだけど…
「………」
「………」
それっきり口を閉ざしたまま。
あたしの目の前で
視線を反らしておぼつかない手でお酒を口にするヨウスケくんが。
何だか
すごく
遠くにいるような
気がした