桜、雪、あなた
「ミオちゃん昨日のドラマ見た?」
「見たー!てかそれ言おうとしてたー!」
「まじ?あの展開はねぇよなー」
「あたしも思ったー!」
ーいつもの様に過ぎていく時間。
お酒を飲みながらお菓子をつまんで過ごす
いつもと変わらない、時間
とりとめのない会話が飛び交う部屋でー。
…ただ、いつもとどこか違うとすれば
お互い
やけ酒の理由を触れられないように
触れないように
お酒の力を借りながら
夢中で色々な事を話している事、と。
時々悲しそうな顔をする
ヨウスケくんに
あたしが気付かないフリを
する、位で。
それがいつも通りじゃない事位
わかっているのに
「ヨウスケくん冷蔵庫開けていいー?」
「おぅ。つーか飲むペース早くね?」
「えー?そっかなぁーてか、ヨウスケくんに言われたくないですー」
「あー確かに」
「でっしょー?お互い様ー」
「まぁなー」
今日はそうでもしないと息がつまりそうだった。
……空気が、
雰囲気が。
それだけ何かが違ったから。
だからあたしはいつもよりも早いペースでお酒を飲み干していった。
そのお陰で、いつもよりも倍の早さでふわふわといい気持ちになった。
酔いのお陰でついさっきまでの気まずい沈黙なんて少しも感じる事がなくなった今日が、昨日に変わる時間を迎える頃ー。
『明日も仕事だし…
眠たくなってきちゃったし…そろそろ帰ろうかな』
もうそろそろ帰るね
と、
あたしが言おうとした時だった
「………なぁ。」
小さな声で
「ん?」
ヨウスケくんが
「すごくね?」
話しかけてきた。