羽田くんとうさ子の関係。
「うさ子は春からどこだっけ?」
「あたしはここから電車で1時間する場所の専門学校です」
「そういえば前にそんなこと言ってたな…」
あたしは春から製菓の専門学校に行く。
「お互いここから遠いな」
「…そうですね」
ここは県でも端っこの田舎町。
進学するのも、良い所へ就職するのも少し遠くの所に行かないといけない。
「…もうこの町で会うことはないかもな」
「…そうですね」
羽田くんそれは少し違うよ。
もうこの町で“も”会うことはないだよ。
「寂しいですね…」
そう考えたら自然に口が動いた。
「あれ?うさ子、今日は素直だな!」
羽田くんはいつものテンションでバカにしたように話しかける。
ここでいつもなら『って言うのは嘘で別に寂しくないんですけどねー』なんて言って自分の気持ちを伝えることに逃げていたけど、
「今日は…素直なんです」
今日は逃げちゃいけない。