恋の魔法と甘い罠
そう思うと『好きな人ができた』という嘘がバレないようにしなければならない。


だけど、慎也さんから観察するような視線を向けられているから、バレやしないかと心臓がドキドキと鳴り始めた。


そんな状況にも負けてはいけないと思い、至近距離にいる慎也さんの瞳をじっと見つめて、



「ほんとです」



はっきりとそう言ったけれど、そんなあたしを前に慎也さんは、ふっ、と笑った。そして、



「嘘だな」


「えっ」


「好きじゃないって……嘘だろ?」


「な、んでっ!」


「玲夢の瞳を見ていればわかる。こんなに熱く潤ませて……ほんとは、別れたくないんだろ?」


「なっ!」



心の中で必死に押し殺しながらも揺れ動いていた気持ちを見透かすような言葉に、何も言えなくなってしまった。


そして――


動揺してできてしまった隙に入り込むように、慎也さんはまた唇を重ねてきた。
< 150 / 357 >

この作品をシェア

pagetop