恋の魔法と甘い罠
食器を返却口に置いてそのまま食堂を出ていく和泉さんをついていく。


そして食堂を出たところで足を止めて振り返った。



「少し時間ある?」


「えっ……あ、はい」


「じゃあ、ちょっと付き合って」



そしてまた前を向いて歩き始めた和泉さんについていくと、着いた場所は休憩室で。


そのまま自販機の前まで行って振り返ることなく口を開く。



「何飲む?」



突然のことに言葉に詰まっているともう一度「何が飲みたい?」と訊いてきた。


だけどわざわざ自販機で買わなくてもさっき食堂でお茶を飲めばタダだったのに……


なんてケチなことを考えてしまった。


そして何も答えないあたしに痺れを切らしたのか、和泉さんは自分のコーヒーを先に買ってそのままもうひとつボタンを押した。
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