恋の魔法と甘い罠
隣を見上げながらそう言うと、和泉さんはぷっと吹き出して、



「何ヶ月でも付き合ってやるよ。俺に任せとけって」



そう言って頭をぽんぽんとやさしく撫でてきた。


その笑顔に、その仕草に、心臓が、とくんっ、と小さく跳ねた。



そのあとはしばらくミルクティーを飲みながら、和泉さんと話をしていたけれど、たわいもない話を面白おかしく話してくれるから、さっきまでの胸の痛みがいつの間にかなくなっていた。


それに、その間はガラス一枚隔てただけの距離に慎也さんがいるってことを忘れていた。




「そろそろ戻るか」



和泉さんにそう言われて時計を見ると、休憩時間はあと三分しか残っていなくて。



「今日は定時上がり?」


「はい」


「俺も早く上がれそうだし一緒に帰ろうか。ここで待ってるから」


「……はい」



一緒に帰る約束をして、その場で別れた。
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