恋の魔法と甘い罠
その言葉を聞いて、前に和泉さんが
『コイツはちゃんと泣けるんだって……』
『泣くってことは、ちゃんと事実を受け入れよう としていたからだろ?』
と言ったことで、泣けなかった和泉さんはいまだに紗羽さんのことが好きなんだと思っていたけれど、完全に吹っ切れていないだけで心のどこかで諦めていたんだ……
だから、『見届けたい』なんて言えるんだと思った。
だってあたしはまだ、慎也さんの幸せを見届けたい、とは思えないから。
もう絶対にこの想いが通じることはなくても、こうやって同じような想いを抱えている人が傍にいるってだけで、心が救われる。
きっと一人だったらもっと傷付いて、もっと泣いていたと思うもん。
そんなことを考えながら、ちらり、と和泉さんの方へ視線を向けると、和泉さんもちょうどこっちを見たからどきっとした。
でもそんなあたしに気付くことなく和泉さんは口を開いた。
「玲夢は行くのか? 紗羽の結婚式」
「はい」
「そっか」
それだけ言って、和泉さんはまたビールを口に運んだ。
それからはほとんど会話もないまま食事して居酒屋をあとにした。
『コイツはちゃんと泣けるんだって……』
『泣くってことは、ちゃんと事実を受け入れよう としていたからだろ?』
と言ったことで、泣けなかった和泉さんはいまだに紗羽さんのことが好きなんだと思っていたけれど、完全に吹っ切れていないだけで心のどこかで諦めていたんだ……
だから、『見届けたい』なんて言えるんだと思った。
だってあたしはまだ、慎也さんの幸せを見届けたい、とは思えないから。
もう絶対にこの想いが通じることはなくても、こうやって同じような想いを抱えている人が傍にいるってだけで、心が救われる。
きっと一人だったらもっと傷付いて、もっと泣いていたと思うもん。
そんなことを考えながら、ちらり、と和泉さんの方へ視線を向けると、和泉さんもちょうどこっちを見たからどきっとした。
でもそんなあたしに気付くことなく和泉さんは口を開いた。
「玲夢は行くのか? 紗羽の結婚式」
「はい」
「そっか」
それだけ言って、和泉さんはまたビールを口に運んだ。
それからはほとんど会話もないまま食事して居酒屋をあとにした。