恋の魔法と甘い罠
だからといって、もしそれが本気だとしても「はい」とは言えないんだけれど。


なんと答えたらいいのか頭をフル回転して考えている間にも、和泉さんは真っ直ぐにこっちを見続けていて。


思わず視線をそらしてしまった。


そしていつの間にかどきどきと鳴り始めていたその音を隠すように口を開く。



「和泉さん、飲みすぎです」


「俺、飲みすぎてる?」


「だって、凄く酔っているし」


「俺、酔ってる?」


「ち、近いですっ!」



ひとつ言葉を交わすたびに和泉さんは少しずつ顔を寄せてきて。


いつの間にかすぐ目の前に和泉さんがいることに気づいて、慌てて顔を後退させて距離をとった。



「んー、やっぱ俺、酔ってんのかな」



口許に笑みを浮かべながら楽しそうにそう言う和泉さんは……



「だからっ! そう言っているじゃないですかっ!」



絶対にあたしの反応を見て楽しんでいると思う。
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