恋の魔法と甘い罠
◇◇◇



ちゅんちゅんという小鳥の囀ずりが耳に届いてきて、デジャヴのようなものを感じながらゆっくりと瞼を上げた。


そして視界に飛び込んできた光景を見て、やっぱりデジャヴ? と首を傾げる。


けれどそこに黒を基調とした家具があるのを見つけて、あたしはこの光景を知っていることに気づく。


身動ぎをするように布団の中でゆっくりと振り返ると、そこにはすーすーと寝息をたてている無邪気な寝顔があった。


普段は男の色気を醸し出している和泉さんだけれど、こうやって眠っているととっても幼く見えてしまう。


あのときはこうやってじっくり見る余裕はなかったけれど、今日はここぞとばかりに観察するようにじっと見つめていた。


肌が綺麗だなぁ……とか、睫毛が長いなぁ……とか、鼻が高いなぁ……とか。


新たな発見をして喜んでいる子供のように、嬉しくなって頬が緩んだ。
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