恋の魔法と甘い罠
「で?」


「え」


「さっきは何が言いたかったんだ?」


「……」



さっき……って、写真を見ていたときのことだよね。



『何が言いたかったんだ?』



紗羽さんとの写真を飾ってあるのが面白くない……なんて言えるわけないよっ!


他の友達とも写っているし、紗羽さんと二人きりというわけでもないのに。


和泉さんにとってはきっと大学時代の大切な思い出の写真なんだもん。


あたしにそんなことを言う権利なんてない。



「何でもないです」



そう言って、淹れてくれたミルクティーを口に運ぶ。


和泉さんからの視線を感じていたけれど、これ以上何も言えないと思ったから、気づかないふりしながらミルクティーを飲み続けた。
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