恋の魔法と甘い罠
「いや、だってさ。つい少し前まではこんな風になるなんて思ってもいなかったわけだし」



確かに。


あたしなんて昨日和泉さんへの気持ちに気づいたばかりなんだもん。


そう思ったら、



「魔法にかかったみたい」


「はあ? なんだよ、魔法って」



和泉さんは訳がわからないって顔であたしの方を見てくるけれど、



「だって、あんなに慎也さんのことが好きで絶対に忘れられないと思っていたのに、まるで恋の魔法をかけられたみたいにいつの間にかあたしの中は和泉さんでいっぱいになっていたし」



なんだか少し恥ずかしいことを言ってしまったなとちらりと和泉さんへ視線を向けると、



「え」



何故か和泉さんはあたしの方へじとっとした瞳を向けていて。
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