恋の魔法と甘い罠
その背中を見ながら、ふと我に返る。


今、『ここで待ち合わせな』って言ったよね?


えっ、どういうこと?


あたし……約束したっけ?


ていうか、待ち合わせってことは二人で帰るってこと?



「……」



いやいやいやいや、そんなの絶対無理!


和泉さんとこうやって話したりはしているけれど、それは偶々会って言葉を交わすって感じだからできることで……


そういう敢えて作るような二人きりの時間は絶対に無理!


だって、あの日の話になるに決まっている。


あたし、全くなにも覚えていないのに。


どうしよう……


そんなことを考えながら休憩室を出て経理課のフロアに入り、席につく。
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