恋の魔法と甘い罠
そんなあたしに、いつかのように
「また耳まで真っ赤」
笑いながらそう言った和泉さんは、左側に座るあたしの方を向くように右腕で頬杖を突きながら
「あの日……何で逃げたの?」
なんて訊いてきた。
和泉さんから『あの日』なんて言われる日は、あのときのことしかなくて。
いつかは訊かれるとは思っていたけれど、座ってすぐにこの話になるなんて思ってもいなかったから、すぐにはなにも答えられなくて視線を泳がせながら顔を伏せてしまった。
そんなあたしの顔を覗き込みながら
「玲夢?」
と言った和泉さんの声はとてもやさしいもので。
何も言えないと思っていたのに、自然とあの日のことを口にしていた。
「……覚えていないんです」
「ん? 何を?」
「……あのときのことは……全く、覚えていないんです」
「……」
「気付いたら……朝で」
「また耳まで真っ赤」
笑いながらそう言った和泉さんは、左側に座るあたしの方を向くように右腕で頬杖を突きながら
「あの日……何で逃げたの?」
なんて訊いてきた。
和泉さんから『あの日』なんて言われる日は、あのときのことしかなくて。
いつかは訊かれるとは思っていたけれど、座ってすぐにこの話になるなんて思ってもいなかったから、すぐにはなにも答えられなくて視線を泳がせながら顔を伏せてしまった。
そんなあたしの顔を覗き込みながら
「玲夢?」
と言った和泉さんの声はとてもやさしいもので。
何も言えないと思っていたのに、自然とあの日のことを口にしていた。
「……覚えていないんです」
「ん? 何を?」
「……あのときのことは……全く、覚えていないんです」
「……」
「気付いたら……朝で」