【完】短編集~幼馴染み~
放課後――……
「あ~おい♪」
「…なに、健太」
「校舎の案内、してよ」
「…なんで?」
「だって、担任が言ってたじゃん♪お前が面倒みろって」
「そう、だけど…。男子に頼めばいいじゃん」
「俺は、葵にしてほしいんだけど」
「…っ!」
「案内してあげなよ、葵!」
「か、夏弥!」
「じゃぁね、葵」
「ぅ、ぁ、バイバイ…」
「てことで、行こ。葵」
「……ぅん」

信じらんない。
あんな別れ方したくせに。
勝手にあたしのキス奪ったくせに。
……あんたの気持ち、分んないよ…!
なんで突然戻ってきたのよ……!!
やっと、忘れられそうだったのに…!!
なんで…あたしにかまうのよ!



「大嫌い」
あたしは小さく、そう呟いた。


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