セックス·フレンド【完結】
数分後、彼女は一枚の紙切れを手に戻ってきた。


相変わらず爽やかな笑顔で、動揺しているふうはまるでない。


気がつかなかったのだろうか?
それとも、見なかったのだろうか?


ばれてしまえばいいと願ったくせに、竹内ミキの変わらぬ態度に、なぜか、あたしは安堵していた。


「お客様?」


うつむきっぱなしのあたしに、竹内ミキが声をかけた。


「ああ、すみません。で?」


「あ、はい。こちらの用紙をご覧頂けますか?」


竹内ミキは、持ってきた用紙を指差しながら、携帯に異常が見つからなかった事実を丁寧に説明した。


けれど、彼女の声は、あたしの耳には届かなかった。


見つけてしまったのだ。

彼女の右手薬指に輝く、シルバーの指輪を…。
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