セックス·フレンド【完結】
「…じゃないよね?」


かの泣くような詩織の声に、あたしは「えっ?」と聞き返す。


「まさか、美杉じゃないよね。その、竹内さんへのクレームの手紙を送ったの」


今度は、はっきりと聞こえた。


詩織は、あたしを疑っていた。


「ごめん。友達を疑うなんて、私最低だよね。でも、もしも美杉だったら…」


「だったら?」


詩織が息を呑んだのが電話ごしにわかった。


「そんなことをしても、古谷君を手に入れられることなんかできないからねって。昔のような過ちを繰り返さないでって、それを伝えたくて」


詩織の言葉が、鋭利なナイフとなって、あたしの心に突き刺さる。


けれど、次の瞬間、あたしは笑っていた。
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