セックス·フレンド【完結】
レジを打つ西村君の顔を眺める。


髪の毛が伸びて、ややふっくらした以外は何も変わらない端正な顔立ち。


ただ、あたしたちを取り巻く空気だけが、じっとりと重苦しく変わってしまった。


そして、そうさせたのは、あたしだ。


様々な後悔が過去をさかのぼって津波のように押し寄せた。


このまま帰ったほうがいいのかもしれない。今さら話しを聞いてほしいなんて、まして、慰めてほしいなんて自分勝手にもほどがある。


そう思い、渡された袋を受け取った時、


「今から食べたら太るよ?」


と、ようやく西村君が笑顔を覗かせた。


肩の力がすとんと抜けるのがわかった。


あたしは、自分が思っている以上に緊張していたらしい。
< 205 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop