セックス·フレンド【完結】
不安を吹き飛ばすように仕事と勉強に打ち込んだ。


考える時間を持つことが、怖かった。



おかげで、初めての大舞台であるヘアショーは大成功だった。


助手とは言え、自分の手がけたモデルたちが美しい花嫁に変身し、ステージを歩く姿を見ていると、胸にこみ上げるものがある。


また、ウェディングドレスを着たモデルたちに自分の姿を重ね見てしまったりもした。


あたしなら、カクテルドレスは赤を選ぶ。打ち掛けは黒も悪くない。


隆也は…きっと何を着てもよく映えるだろう。


そんなことを考えただけで、たまらなく、幸福だった。


ショーのあと、普段、あまり誉めない先生に、「ありがとう。よく頑張ったわね」と、肩をたたかれた時には、張り詰めていた緊張の糸が切れて号泣してしまった。


久しぶりの充実感でいっぱいだった。


気分は爽快だった。
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