セックス·フレンド【完結】
運命的でもロマンチックでもない。そんなありきたりなきっかけで始まった隆也との交際は、でも、あたしにとって驚きの連続だった。


こんなにも自分を大切に想ってくれる人がいることに驚き、これほどまでに優しいセックスがあることに驚き、こんなにも自分が誰かに夢中になれることに驚いた。


これまでしてきた【恋愛】だと思っていたものが、どれほど中身のない下らない行為だったかを思い知った。



隆也の喜びはあたしの喜びに繋がり、彼の痛みは自分の痛みに繋がる。


そんなふうに考えるようにった自分に、何より驚いた。


初めに好きになってくれたのは隆也だったけれど、あたしはすぐに隆也に夢中になった。


幸せだった。


一緒にいられるだけで、目の前にあるこれまでの【当たり前】が、すべて真新しく輝いて見えた。


世界が反転した。


大学では寮生活をしながら部活に打ち込んだ隆也はいつも忙しく、会える日は限られていたけれど、隆也のために我慢する自分すらいじらしく、好ましかった。
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