セックス·フレンド【完結】
「睡眠不足と栄養不足からくる貧血ですって。美杉、無理なダイエットしてるんじゃないの?最近どんどん痩せていくし、おかしいと思ったのよ。美容院の仕事がきついんじゃないの?もっと楽な所に移ったら?体壊してまでやるこたぁないわよ…」


事情を理解しない母は、顔面蒼白でまくしたてた。


「パパにも連絡しなくちゃ。あ、頭を打っているかもしれないから、大事を取って検査もしましょうね。それから…」


「ちょっと、ママ…」


きんきんとうるさい母の声が耳障りで仕方なかった。


検査なんか、どうでもいい。


あたしは病室の隅で所在なさげに立ち尽くす詩織を見た。


「詩織と…」


名前を呼ばれて、詩織はびくりと肩を震わせた。


「詩織と二人きりにしてちょうだい」


強い口調のあたしに、母は何かを感じとったのだろう。なんとなく納得のいかぬ表情をしながらも、


「そうね。詩織ちゃんにはきちんとお礼を言うのよ。売店でお茶でも買ってくるから」


と、いそいそと病室を出て行った。
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