セックス·フレンド【完結】
始めのうちは、可愛げのあるヤキモキやワガママを言う程度だった。


遠征に出かけた彼が宿舎に戻った途端、「寂しい」と泣きながら電話をし愛の言葉を要求した。


彼は、応えてくれた。


愛されていると実感できた。


すると、あたしの言動はますますエスカレートしていった。


これまで心よく送り出していた先輩との飲み会に不満を漏らすようになった。


練習中に、仮病を使って心配させた。


大学では女の子たちと口をきくのを禁じ、いちいち携帯をチェックした。


それでも、初めのうちは隆也も我慢してくれた。


寂しい思いをさせる自分に責任があると言ってくれた。


あたしは、その時点で彼を許してやるべきだった。


でも、そうしなかった。


隆也が下手に出れば出るほど、あたしはつけあがっていった。


あたしは一番聞いてはいけないことを口にした。


剣道と、あたしのどっちが大切なの?


週末の約束がつぶれるたびに、あたしは隆也にそう迫り、比べようのない物差しで、彼の愛情の深さを計ろうとした。
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