セックス·フレンド【完結】
また来てくれた。


胸の高鳴りを沈めようと深呼吸しながら暗い夜道を歩いていると、後ろから車のベッドライトに照らされた。


車は、ゆるゆると速度を落とし、ぴたりとあたしの隣に止まった。


警戒心を抱き身を固くしていると、ぱっと、運転席のドアがあいた。


「夜道は危険だから送ってくよ」


隆也だった。


「いいよ、家はすぐそこだし」


付き合っていた頃、隆也は何度かうちを訪ねたことがある。


だから、目の前の曲がり角をまがれば、すぐにうちだというのを知っていた。


本当は乗りたかった。でも、なんだか怖かった。再び彼に惹かれてしまう自分が。


「じゃあ、ちょっとだけドライブしない?」


「え?」


「もちろん、美杉さえよければだけど」


断るはずがなかった。
< 34 / 322 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop