セックス·フレンド【完結】
車は人気のない山道を走っていた。


たどり着いたのは、地元のデートスポット。夜景の見渡すことのできる場所として、夏は若者たちが集まるが、冬はほとんど人がこない。


霧でぼやけた街並みを見下ろせる位置に車を止めると、隆也は、まじまじとあたしを見つめた。


「なんかさ、美杉、きれいになったよな?」


「えっ?」


「いや、美杉は昔から可愛かったけど…」


「けど?」


「昔より、ずっと、ずうっと美人になった」


そこまで言われると、あまりに恥ずかしかった。


実は、あれ以来、また隆也が来るかもしれないと、メイクも髪型も必要以上に気合いを入れていた。


「さては、たくさん恋愛したんだろ?」


隆也はいたずらっぽく笑い、あたしのおでこを人差し指でつついた。
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