セックス·フレンド【完結】
あたしたちは、山を降りてすぐのところにある蕎麦屋で少し早めの夕食をとった。


時間が早すぎたせいか、店にお客さんは、あたしたちしかいない。


街中のレストランで食事するより、人目につかないのでリラックスできる。


そう考えて、あたしは、ふと可笑しくなった。


いつの間にか、あたしは二番目の女としての心得がきちんと備わっていた。


自分からは連絡をしない。
ワガママを言わない。
人目につく場所へは出歩かない。


わがまま一杯に隆也を振り回していたあの頃のあたしが、今のあたしを見たら何と言うだろうか?


そんな惨めったらしい真似はやめて。


きっと、そうヒステリックに叫ぶだろう。
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