セックス·フレンド【完結】
帰り道、さすがのあたしも、うまく取り繕うことができなかった。


セックスも会話もままならず、愛しているかさえわらなくなっている恋人でも、やはり病気になれば気になるのだろうか?


あたしを抱くことよりも、病気の恋人のそばに帰ることのほうが、彼には重要なのだろう。


悔しいけれど、それが現実だ。


日の落ち始めた窓の外は深い群青に染まり、悲しみと絶望が混じり合った色をしていた。


窓におでこをくっつけ、行き交う車を眺めていると、やはり、今日の出来事は夢だったのかもしれないとさえ思えた。
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