セックス·フレンド【完結】
「隆也」


「ん?」


まもなくうちへ着くという時、あたしは、ようやく口を開いた。


「隆也の彼女って、どんな子?」


うーんと唸ってから、隆也は、


「別に、普通だよ」


そう答えた。


「どうやって知り合ったの?」


「同じ大学の後輩。1つ年下」


警戒されるかと思いきや、彼はすんなりと答えた。


「へぇ…。じゃあ、彼女も剣道を?」


「いや、彼女はマラソンの選手だったんだ。それで、大手の自動車メーカーに就職したんだけど、膝を壊して、すぐにやめた。で、今は携帯ショップで働いてるよ」



そこまで話してから、はっとしたように隆也がこちらをむいた。


「なんで?気になる?」


「別に。ただ、なんとなく」



あたしは、笑い、「彼女が店員だと、新しい携帯を安く買えたりできるの?」と話題をずらした。


「いや、そうでもないよ。俺も最近携帯変えたんだけど、普通に買うのとあまり変わらなかったし」


「なんだ。思い切り安くなるなら、頼もうかと思ったのに」


「なんだ、それ」


よかった。うまくごまかせた。
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