甘い罠
瑠璃は、そこまで考えると新聞を閉じた


やっぱり、どうしてもそんなことあるはずがないと思えた

ただ杉山のことを調べていたというだけで、木村が突き落としたと考えるのは、あまりにも単純だし、彼女でありながら酷いと思った

しかし
瑠璃の思考をそうさせるのはやはり、同日の同時刻に、同じ会社の2人が、階は違えど同じ非常階段から転落したという、あまりに奇妙な偶然からくるものだと思えた

本人に確かめてみよう
瑠璃は思った

クローゼットの中を探してたら茶封筒を足に引っかけちゃって…
資料が少し見えたんだけど、杉山孝雄って書かれてあったから気になったの。

と、何とでも言えるじゃないか

木村を信じているなら、黙っている方がおかしいのだ

瑠璃は立ち上がり、新聞記事をもとあった場所へ戻した

受付の女性の前を足早に通り過ぎ、図書館を出た







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