甘い罠
自宅に帰った瑠璃は食欲もなく、木村のために準備したお茶漬けの薬味のおすそ分けをご飯にのせ食べていた

木村の部屋で食事の準備をした日は、自分の分もちゃっかり持って帰ったりしていた

しかし今の瑠璃は、お茶漬けの味も、テレビの音さえ耳に入ってはいなかった

どういう聞き方で木村に尋ねたらいいか、思いあぐねていた

言葉のチョイスを間違うと、とんでもない自体になりかねない
そんじょそこらの浮気を疑うのとは訳が違うのだ


テーブルの上に置かれた携帯が、ブルブルと震えながら微妙に移動した

瑠璃はビクッとし、慌てて携帯を掴んだ

電話の相手は碧だった
瑠璃は少しがっかりして、明日のホームパーティーのことだろうと思いながら電話に出た


「あ、瑠璃?
今大丈夫?

明日なんだけどさ…」

今大丈夫?
と聞きながら、相手の返事も聞かず話しだすとこが碧らしいと瑠璃は思った

「買い出しは2人で行こ。
加奈子もサキも遅れるみたいだから後で駅に迎え行けばいいわよね

あ、先に部屋には入れるのよね?」


「うん、鍵持ってるから」

そうか、どっちにしろ明日は木村には聞けないなと瑠璃は考えながら答えた

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