甘い罠
「無理しなくていいのよ

碧ってば強引なんだもん」

運転席の木村に瑠璃は言った

「いや、俺は全然構わないよ」という木村の返事に、瑠璃はちょっとがっかりした


ホームパーティの話だ

瑠璃から木村に話す前に、碧が早速木村に話したらしい

「ただ、俺の部屋なんもないけどな(笑)
でも、瑠璃ちゃん達の友達連れてきてくれるんなら、俺の部署の奴らも喜んで来ると思うよ(笑)」


「そう、木村さんがいいならいいんだけど…

あ、じゃあ私の職場の女の子も一人呼んでもいい?」

急な思いつきだったが、菜々子に木村と碧を紹介するいい機会だと瑠璃は思った


「うん、全然いいよ

俺も営業の連中に声かけてみるよ」

それと…と木村は言いかけ、瑠璃をチラッと見た

「みんなに、俺の彼女ってことで紹介していいのかな?
瑠璃ちゃんのこと」

瑠璃は木村の方を見た

木村は真っ直ぐ前を見ている

「あぁ、じゃあ私も友達にそう言います(笑)

よろしくお願いします」

2人は笑いあった

瑠璃は、天にも昇る思いだった
木村からは、これまで正式に付き合おうと言われたことはなかった

木村が自分のことを思ってくれていることを確認出来たのだ

瑠璃は急に自信がついた

木村と碧は会社で毎日のように会っているのだ

でも、木村は自分を選んでくれた
みんなに紹介しようと言ってくれたことが、何よりも瑠璃は嬉しかった







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