甘い罠
タレントや女優が愛用していると、一つ一つに手書きで書かれたカードが貼り付けられている

「鼻が麻痺してきちゃったな(笑)
どれも同じ匂いに感じるよ」

木村は首を傾げた

中には、瑠璃が以前付けていた香水もあった

碧が付けていたのもある

「ここにあるの、結構人気のものばかりだから、付けてる人多いわよ」

瑠璃は、以前碧が付けていた香水を手に取り、木村に「これは?」と聞いてみた

あるわけもないが、なんとなく碧を疑うようなことをしてみたくなった

「うーん…
似てる気はするけど…

どれも同じような感じだもんなぁ」

木村は頭を掻いた


「あれ以来…
木村さんあの話しないから黙ってたけど、私も気になってたの

記憶…戻らない?」

「うん…

戻ってないよ」

木村は諦めたように、エレベーターホールへ歩き出した

「もしかしたら気づいてないだけで、他にも色々忘れてるのかもしれない

なんか気味悪いよ(笑)」

木村は首をすくめた








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