甘い罠
瑠璃はなんとなくがっかりして、おもむろにその数枚の紙を引っ張り出した

パラリと1枚の写真が瑠璃の膝に落ちた

写真はどこかの料亭のようなところで、サラリーマンらしき年配の男性が数人で映っている

でも、その中に木村の姿はない

ずいぶん酔っている様子で、みんな顔が赤く、肩を組み合って楽しそうに笑っている

どこか得意先の人達を木村が写したのかな?と瑠璃は思った

とりあえず写真を床に置き、同封されていた数枚の紙に目を向けた


「え…」

無意識に小さな声が出た


紙の一番上に「氏名:杉山 孝雄」とパソコンの文字で書かれてある

瑠璃は目を見開いた

名前の下には所属部署と、杉山の同僚と思われる人達の名前もご丁寧に書かれてある

瑠璃はハッと玄関の方を振り向いた
まだ杉山が帰って来るわけもないが、異様なほど瑠璃は緊張していた

< 97 / 104 >

この作品をシェア

pagetop