ふっとストーリー
「眠い…」
無理に体を起こして欠伸。
伸びをしてみるが眠気が消えたかは謎。でも毎朝やってしまうから不思議だ。
麻子(まね、って読むの。あたしの名前)が寝ていた布団の横にある黄色の時計を手に取る。
小さくて、手にすっぽりとはまる感じが気に入っている。
時間は6時18分をさしていた。微妙。
たまに40分だったりする。寝坊ってやつ。

布団を簡単にたたむ。
後は親がしてくれるよという子供ならではの考え。
もう大人になったらたたんでくれないのか、と今更思う。

今が17だから…あと3年。
……。
……18で大人ともいうじゃん。
あら、じゃあ一年?
短い。
いや、長い?
振り返ると短いけど先は長い。
ひたすら、長い。

そんな感じなのだろう。
鞄を手にとり玄関に。
忘れないとは思うけど一応わかりやすい所へ。
中身は確かめない。いつもおきべんしてるから見なくても平気。
中には財布。携帯。漫画。お菓子。ゲーム。化粧品。筆記用具…
女の子に必要なものがたくさん。ぶっちゃけ授業に不要なものだらけ。
でも麻子には必要なんだから。
顔を洗う。顔の清潔さってかなり重要。しっかり濡らし、泡をたっぷりたてて使う。肌を傷付けないよう優しく。
あとはしっかり洗い、ふわふわのタオルで拭き取る。
結構さっぱり。
あとつるつる。

朝ごはんはフレーク。
なんだかお洒落で気に入っている。
しゃく、さくさく。
よく噛む。

食べながらニュースを見る。ニュースキャスターがカッコイイニュースばかりを見る。
ニュースは聞いていない。でも占いは真剣に見る。

麻子は牡牛座だから…。
やった、1位!運がいいんだ。
赤のスカーフがいいらしい。カウボーイかっての!!でも、探してみる。
意外と部屋の奥に眠っている。

首にまくが、ダサい。
似合わない。
制服リボンだしっ。

鞄にしまう。つけれないけど、一応持っとくだけでも効果ありそうじゃん。

腕時計を見る。
そろそろ行かなきゃね。

制服をさっさと着る。
埃をぱんぱんっととる。

「行ってきます」
返事は返ってこなかった。
黙ったまま鍵を閉めた。がちゃり。

空を見る。
青い。というか水色。
雲が少しあった。

続く
< 4 / 5 >

この作品をシェア

pagetop