秘書室の言えなかった言葉
ある日、私は見てしまった。
今日も残業の私。
いつもより時間が掛かり帰るのが遅くなりそうだったから、私は会社の近くのコンビニに簡単に食べられそうな物を買いに行く。
会社に戻った私が社内を歩いていると、どこからか声が聞こえてきた。
声のする方を見てみると、喫煙ルームの中に倉木と若い女性社員が。
女性社員は真っ赤な顔をして倉木と話している。
あぁ。きっと、あの子も倉木の事が好きなんだ。
また、タイミング悪く、いつもの光景に出くわしてしまったか……
案の定、
「私……、倉木さんの事が――…」
私の居る位置からは、はっきりとは声が聞き取れないけど、あの雰囲気はきっと告白。
あまり見たくない光景。
私は不安になりながら、顔を背ける。
でも、心のどこかでは
“倉木はいつものように、断るだろうな”
そう思っていた。
だけど、倉木の口から聞こえてきた言葉は……
「ありがとう」
倉木の声で、はっきりとそう聞こえた。
えっ!?
私は倉木の言葉に驚き、喫煙ルームの方を見る。
すると、倉木は、その女性社員に自然な笑顔を向けていた。
いつもの倉木じゃない。
いつも告白されても、表情を変える事なく断るのに……
あの子が倉木の好きな人?
喫煙ルームを見つめていた私。
だんだん視界がぼやけてくる。
その場に居られなくなった私は、倉木に気付かれないようにその場を走り去った。
今日も残業の私。
いつもより時間が掛かり帰るのが遅くなりそうだったから、私は会社の近くのコンビニに簡単に食べられそうな物を買いに行く。
会社に戻った私が社内を歩いていると、どこからか声が聞こえてきた。
声のする方を見てみると、喫煙ルームの中に倉木と若い女性社員が。
女性社員は真っ赤な顔をして倉木と話している。
あぁ。きっと、あの子も倉木の事が好きなんだ。
また、タイミング悪く、いつもの光景に出くわしてしまったか……
案の定、
「私……、倉木さんの事が――…」
私の居る位置からは、はっきりとは声が聞き取れないけど、あの雰囲気はきっと告白。
あまり見たくない光景。
私は不安になりながら、顔を背ける。
でも、心のどこかでは
“倉木はいつものように、断るだろうな”
そう思っていた。
だけど、倉木の口から聞こえてきた言葉は……
「ありがとう」
倉木の声で、はっきりとそう聞こえた。
えっ!?
私は倉木の言葉に驚き、喫煙ルームの方を見る。
すると、倉木は、その女性社員に自然な笑顔を向けていた。
いつもの倉木じゃない。
いつも告白されても、表情を変える事なく断るのに……
あの子が倉木の好きな人?
喫煙ルームを見つめていた私。
だんだん視界がぼやけてくる。
その場に居られなくなった私は、倉木に気付かれないようにその場を走り去った。