恋をした悪魔
命からがら、リリスは森へ逃げこみました。
視界がひどくかすんでいますが、それよりも
胸に漂うもやもやとしたものを振り払いたくて
リリスはひたすら走ります。
走りながら、いろいろなことを考えました。
家の物がだんだん減っていく理由だとか。
青年が初めて見たときより痩せた理由だとか。
ナイフを取り返せなかったことより、これまで無視していた
くだらないことのほうが気になるのは、なぜでしょう。