光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「あいつが男を取っ替え引っ替えしてる噂は結構有名だ。
…まぁ、様子見てると噂っていうかマジみたいだけど。
そんな有名な噂さえ知らない麻木は周りに疎すぎる」
腕組みをしてそう言う真藤君の態度は、まるで説教をしているみたいだ。
あたしは怒られてしょげる子供のように、肩身が狭い思いを感じる。
真藤君の言葉は良いように受け止めればあたしのことを気にかけてくれているのだろうけど。
……なんだか、素直に受け止められないのは何故だろう。
「あたしが人の噂とかに疎いのは認めるけど…。
嘘泣きなんて、そう簡単に誰でも分かるものなの?」
「大抵のやつは分かんねぇだろうな」
「じゃあ、どうして真藤君は分かったの?」
「俺の趣味は、人間観察。
だから人の表情とか態度に現れる感情が分かるんだよ。
嘘泣きなんて、一発で分かる」
「………」
この人はまた平然とした顔で、ものすごいことを……。
人の気配に敏感だとか、趣味が人間観察だとか。
なんだか真藤君って、何気にすごいことばっかり。
それもまたあたしが知っている彼とは違って、なんだか本当の真藤君がどんな人なのかもよく分からなくなる。