光を背負う、僕ら。―第2楽章―
「…あっ、このことは誰にも秘密な」
口の前に人差し指を立てて笑う真藤君は、さっきまでの彼とはまた別人のような表情を見せる。
どこか得意げに見える笑顔。
それはついさっきまでに時折見せていた、冷ややかで意地悪な笑みとはまるで違っていた。
「じゃあ、行くから」
今度こそ真藤君は扉を開いて、そそくさと図書室を後にする。
わけも分からないままに話されて取り残されたあたしは、もう聞き返すことも出来ずに茫然とすることしか出来ない。
「…何なの、あの人は…」
言いたいことだけ言って、さっさと自分は消えちゃうなんてひどすぎる。
しかもどうしてわざわざ、普通なら秘密にしておきたいことまで言ったの?
あたしが、告白を断った理由を深く追求したから?
別にそこまで、言ってくれなくてよかったのに…。
……真藤君って、本当によく分からない人になったみたい。
時計を見ると授業が始まるまでほんの少ししか時間が残っていなくて、疑問だけが残るなかで急いであたしも教室に向かった。